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気のむくままに、更新中… いわゆるネタ。 本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;) PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。 *関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
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ズルズルと、目の前の金髪の少年はそばをすすった。
 
「どうじゃの?初めて食べた『深川そば』は」
 
白髪の大柄の男がその少年に問う。その様子は仲の良い祖父と孫にも見えるだろう。
事実、男は孫が居たらこんな感じだろうと思っている。
 
「う~ん、何かちょっと塩っぱいってば?」
「元々醤油ベースのつゆに、アサリの煮汁も出とるからの~。まぁ、土産話にはなるだろう」
「でも、ちょっとびっくりしたけど、美味しいってば!普通にアサリを煮込めばいいのかなぁ?」
「作るのか?」
「イルカせんせーにお願いするってば」
 
ニシシと笑うと蒼い瞳を丼に落とし、またそばを手繰るが、直ぐに箸を休めてしまった。 
 
「どうした?」
「…去年は四人で年越しそば食べたってば」
「ほぅ?」
「イルカせんせーと、買い出ししてたら…サスケと会って、」
 
濃いつゆにうつる少年の表情は、懐かしさとも寂しさとも見える。
 
「何故かオレん家で年越しすることになって、三人でそばを食べてたら、窓からカカシせんせーが、入ってきたってば」
「何とも色気が無い年越しだのぅ」
「うん…でもさ、」
 
俯き、丼の縁をぐるりと箸でなぞる。
一度、二度。
 
「楽しかったんだってば。深夜だっつーのに、オレと…サスケがはしゃいじゃって。イルカせんせぇにげんこつくらって。したら、カカシせんせーが、口抑えながら肩震わせてて。
その後、大人二人は酒飲み始めて…イルカせんせぇがひっくり反ってさぁ~。カカシせんせーは、ふつーだったけど、絶対ヤバかったと思うんだ。
…来年も、再来年も、ずーっとこんな感じだったらいいな、って。そう、思ってたってば」
 
ずっとこの光景が続くんだと、信じてたんだってば。
 
「ならば、次回はワシも仲間に入れて貰うかの~。女っ気が無いのがつまらんが、そのメンバーなら面白そうだからの」
「エロ仙人、」
 
自信が無いのだろう。小さな声で、瞳だけ上げる。
 
「信じてるんだろ?」
「え?」
「またそんな日が来ると」「…うん」
 
大きな瞳が更に丸くなり、真一文字に閉じていた唇が漸く綻んだ。
 
「さ、冷めてしまうからの。早く食べてしまえ。
今日はこれで修行は終いだ。大晦日は宿へ戻ってゴロゴロするに限る!」
「おう!」
 
また、ニシシと歯を出して笑うと、一気に啜った。
 
 
◇◆◇
いや、なんか四人で食べてたら微笑ましいかな、と。
基本はカカナルなんですが、普通に仲が良いのも大好きです。

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プロフィール
HN:
ホシノヤドリギ
性別:
女性
自己紹介:
現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。

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