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気のむくままに、更新中… いわゆるネタ。 本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;) PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。 *関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
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何故こんな事になったのか。
きっかけは些細な事だった。

いつものように焚き火を囲み、いつものように食事をして。
後は、いつものように見廻り組と就寝組と分かれる…はずだった。

偶々、ジタンが物語りを語りだし、歌を歌った。
それに合わせて手拍子が起こり、意外に芸達者なバッツが踊り始めた。

珍しく、スコールやクラウドまで退席する事無く、その光景を眺めている。


決戦が近いからか。
強さを増すイミテーションたち。
明日には誰かが死ぬかもしれない。
それは自分かもしれないし、他の仲間かもしれない。

覚悟はしていたけれど…。
…死んだら、自分の世界に戻れるのだろうか。

ふと、ティーダは思った。
この世界に召還されて、日に日にぼやけていく記憶。

段々と白い靄に覆われていく大切な…何か。

自分の命を棄てて護ろうとした…何か。


薄くなっていく事に気が付く度に、自分はこの闘いに勝って戻るしかないと、己を奮い起たせていた。
それが…父親との死闘の先にある未来、でも。


「ティーダ!お前も何か歌えよ」
「うへ?うぇぇぇぇ!?」
フリオニールの呼び声に、沈みかけた思考が戻される。
「ちょ、何でそんな展開なんスかぁ~!無理っス!無理っスよぅ~~~」
飛び上がり、首を何度も横にふるが。
「いいじゃないか。どうせタダだし」
「そーゆー問題じゃないっス!歌なんて…」
「僕も聴いてみたいな」
セシルに小鳥のように首を傾げられながら頼まれ、ティナとオニオンナイトからは、期待される眼差しで見られ。

「……ぅっス」
反論を封じられて、ティーダは頷くしかなかった。


「言っとくけど、俺あんま歌は得意じゃないっスからね!寧ろ音痴だから!!」
そう大声で叫ぶと、目の前のウォーリア・オブ・ライトが優しく微笑んだ。


目を瞑り、深い呼吸を一度。
沸き上がってくる、歌は。

「―――、――― ――――――」


祈り子たちの、歌。

悲しくて。
切なくて。
…暖かい。

―あぁ、この旋律だ。

懐かしい。

何故これが「祈り子たち」の歌なのか。
何故この歌を知っているのか。


分からないけれど。


瞼に浮かぶのは、石で出来た荘厳な建物。
そして、美しい夕焼けと、またたく光の中で踊る、「彼女」。


懐かしくて。
いとおしくて。


―ごめんな。一緒に居てやれなくて。

込み上げてくる想いで、涙が出そうだった。


―そうだ。還らなきゃ。彼女のところへ。


◇◆◇

いやたんに…ティーダに歌わせたかっただけっス(^^;)(;^^)

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ホシノヤドリギ
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自己紹介:
現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。

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