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気のむくままに、更新中… いわゆるネタ。 本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;) PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。 *関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
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時々、無性に涙が出てくることがある。

それは間違いなく寝起きだった。
何か嫌な夢でも見たのかもしれない。だが、それがどんな夢だか分からない。

そんな時はこうして、テントを出て独りになる。
勿論、見回り組にバレないように、こっそりと。

―ストレス、ってやつっスかね。

このところ、連戦続きで、精神的に参っているのかもしれない。
カオスとの闘いはもう目前で。
それは即ち父親との決着を意味する。

―親父と闘って、勝って…それから…

そこで一度思考を止めた。
ぞわぞわと首筋が毛羽立つ。

それから…。

き、え、る?


―何で?何でそんな事を思う?
自分は今、ここに居るのに!!

君は…、だから…。

ゆ…、だから…。


「うるさい!うるさいっスよ!!」

―俺は、何だ?
この頭に響く声は何?これは何のイメージだ?

暗い神殿。廃墟。眠らない街。泉。ブリッツ会場。ゆらゆらと舞う、何か。父親。赤い着物。罪。フードの少年。杖を持った少女。

イメージが次から次へとわき出て、それを理解する前に消えていく。

―おれはなんなんだ?

「!!」

そして、自分が、薄くなっていく。
手の指が、髪が、服が、足が。体全体が発光し、掌の向こうにある大地が見える。
髪が、月の光と重なっている。

―きえる?


もし、キミがどこかで生きているとしたら。

「―え?」

消えそうになる自分を救ったのは、小さな声。
溶けていた体が、ゆっくりと境界線を作る。

キミには笑っていて欲しいから。

「あ、」

しっかりとした声。
優しくて。大好きで。
だから護りたかった。

キミは今、どこにいますか。

「ここに、ここにいるっスよ」

必ず、また会えると信じています。

「うん、俺も信じてるよ…」

ティーダはその場に寝転ぶと、煌々と輝く月に手を伸ばした。
涙も恐怖も、もう無い。


* * *

ユウナは祈っていた。
月明かりの下、彼との思い出の大地で。


―もし、キミがどこかで生きているとしたら。
どこかで、泣いて、苦しんで、哀しんで、それでも明るく笑っているとしたら。
その笑顔がけして無くならないように。
キミには笑っていて欲しいから。


この祈りが、必ず彼の助けになると信じて。
ユウナは祈っていた。


―キミは今、どこにいますか。
必ず、また会えると信じています。



◇◆◇
ちょっと「世界が繋がっている」的な話を書いてみたかったんです。

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ホシノヤドリギ
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女性
自己紹介:
現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。

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