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オリジナル スタラクタイト
ツァミールは目の前に置かれたマンゴータルトを見る。
「嫌いなのか?」
主人である彼女は、無表情を和らげ口に運んでいる。
「いや、嫌いではないけど…」
むしろ昔は好きだった。
だた、幼い時に姉に「毒への免疫をつくる為☆」と言われ、毒入りのケーキを食べ二日間昏睡状態になって以来トラウマがあるのだ。
勿論、このケーキに毒が入っている訳では無いし、残すのも勿体ない。
ツァミールは数年ぶりに甘味を食べようとフォークを伸ばした。
が。
ステンレスの先は、ケーキをかすめテーブルにあたりそうになる。
「要らないんだろ?」
「え、」
「要らないんだろ?」
「……ドーゾ」
彼女は、相手のケーキに自分のフォークを刺した。
(………まぁ、嬉しそうだからいいか)
◇◆◇
彼女は結構我侭です(笑)
***
オリジナル 海賊と魔法使い
シャリ、シャリ、と太陽がサンサンと輝く海上の船の中で、およそ不釣り合いな音が響いた。
「ジェラートなんて久々だよ」
魔法使いは、嬉しそうにスプーンでそれを掬っている。
桃色のそれ。
先ほど立ち寄った港で売っていたジェラート。少々値は張ったが、相手の笑顔が見られたので良しとすべき…なのだろう。多分。
そう、相手は笑顔なのだ。ものすっごく。
それが、実は海賊には気にくわないのである。勿論、相手は自分に対して笑顔を見せてはくれるけれど。やっぱり、自分だけに見せて欲しいと思ってしまう訳で。
「……」
「え、ちょっと!」
最後の一口を、魔法使いの腕を付かんで己の口へと運ばせた。
「あぁッ!!!最後だったのに~~~~!!!吐き出せ戻せつーか死ね!!!」
◇◆◇
あれ、キャラ変わっちゃった…?
***
☆矢 年中組
「何だこれ」
「ケーキだ」
「見りゃ判る」
アフロディーテが持ってきたものはどう見ても紅茶のシフォンケーキである。
ただし一切れ。
「アテナから戴いた。我々に、と言うことだ」
「…嫌がらせが!!!???あんの女郎!!!!」
「デスマスク!恐れ多くも女神に向かって」
「やっかましい!山羊!さっさとハカリを持ってこい!」
「…量るのか」
「こ~なったらきっちりやってやるよ!!!」
◇◆◇
几帳面な蟹。
***
☆矢 三巨頭
「さぁ、ラダマンティス。そのショートケーキを私によこしなさい」
「…お前のはそこにあるだろうが」
「えぇ。ありますよ。でも貴方、甘い物は苦手でしょう?」
見るからに暑そうな色を纏う三人が見るからに甘そうな苺のショートケーキを食べようとしている姿は、ほほえましいと言うか笑えてしまう光景である。
「馬鹿言え。そもそも糖分はエネルギーに直ぐ変わる。俺がお前の分を欲しいくらいだ」
「私のルネが作ったものですよ。貴方には勿体ないです。さぁ、お兄様☆に渡しなさい」
「断る。第一、普通兄なら弟に譲るものだろう」
「何言ってんだラダマンティス。こいつが普通な訳ないだろう」
「ふ。確かにな」
「アイアコス。貴方は黙っていてください。…あなた達二人にこの味が理解出来るとは思いません。さぁ」
「断ると言っている」
「…仕方ありません」
「うを!」
途端にラダマンティスの右手が勝手にケーキを切り、ミーノスの口に持って行こうと動き出す。
「ミーノス!!ひ、卑怯だ!!!」
「貴方が最初から素直に渡せばいいんですよ」
その生クリームがたっぷり付いたショートケーキは、だんだんとミーノスの形の良い口へと運ばれていく。
ぱくり。
「!!」
「あ」
しかしそれを口内に入れたのは…。
「アイアコス~~~!!!」
「御馳走様」
◇◆◇
おいしいドコ取りのアイアコス。
***
PAPUWA 従兄弟ズ
久々にシンタローが腕をふるって作ったガトーショコラ。艶やかなチョコレートのコーティングが光りを反射させる。
甘い物だ好物なグンマは早くに食べ終わってしまい、キンタローのをじっと見ている。
「…グンマ、いるか?」
「え?ううん。もうボクのは食べ終わっちゃっただけだから、キンちゃんゆっくり食べてね」
「いや、しかし…。俺は甘い物は苦手だからお前にやる」
「いいってば。シンちゃんのケーキだよ?おいしいに決まってるから食べてみなよ」
「しかし…」
「いいって」
「だが…」
「いいの!」
「グン…」
「だぁぁぁぁ~~~~!!!さっさと食え!!何やってんだお前等!」
◇◆◇
こんな三人が好きです。
***
ゼノギアス
召し上がれ☆と出された物体にフェイは…いや、イドは遠い目をする。
嫌な予感はしていたのだ。シタンに呼びかけられたその瞬間に。
とっさにステージにあげられ、視界に入ってきたものは、うさんくさそうなケーキとうさんくさそうな笑顔のシタンであった。
「ちょっと暇なので、残った薬草でケーキを作ってみたんですよ~」
「作るなそんなもので」
「体に良い薬草ばかりですから。これだったら子供たちも食べられるでしょう?」
言われてイドはそのケーキをちらりと見る。
真っ黒いケーキ。
「チョコレートケーキだと思って食べてみてください」
(フェイ…覚えていろよ!)
覚悟を決めて、フォークをおろす。
がつん!
ぼきぃっ!
フォークはケーキに刺さる事無く真っ二つに折れた。
◇◆◇
確かシタン先生は壊滅的に料理が下手だったような…。
***
銀魂 沖田と神楽
春なのに夏のように暑い日である。
「あ~。あちぃな。アイスクリームでも食うかねぃ」
自主休日(つまりサボリ)である以前雑誌に載っていたアイスクリーム店に入った。
休日の為、家族連れやカップルが多い店内であるが、そんな事は気にしない。
(え~っと)
ざっとショーケースを見ると、期間限定の夏みかんのアイスクリームが一番人気らしい。あと一掬いで無くなってしまいそうだ。
「おえーさん。な…」
「夏みかんのアイスクリーム、ちょーだいアルね!」
「コラチャイナ娘!それは俺のだぜぃ!」
「む!何アルか?早い者勝ちアルよ!!」
「俺が先に見ていたんだぜぃッ!」
「先に頼んだのはあたしアルよ!れでぃーふぁーすとって言葉、知ってるよろし?」
「お前みたいな子供には縁の遠い言葉だねぇ。…おいおねーさん。ここのケースのアイスクリーム、全部買うぜぃ」
「むっきー!!!じゃあ、あたしは店のアイス全部買うアルね!!」
「そんな金があるんならねぃ」
「きー!あんただって無いアルね!!!」
「ふ。公務員を舐めちゃいけませんぜぃッ!!!」
後日、真選組局長近藤の元にアイスクリーム屋からの請求書が届いたと言う。
「総悟ーーーーーーーーっ!!!!!!!!!」
◇◆◇
貧乏くじは近藤さん(笑)
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