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気のむくままに、更新中… いわゆるネタ。 本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;) PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。 *関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
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「イザヤールさまは、セクシーとキュート、どちらがお好きでしょうか?」

唐突にそう叫ばれて、ラヴィエルは固まった。
何を言われたのか理解するのに一秒。
それを言葉にするのに二秒かかった。

「…は?」
合計三秒費やして出た言葉は、何とも間抜けな音。
しかし、それは仕方ない事だろう。

「ですから!あの方はセクシーとキュート、どちらの姿にときめくと思います??」

ずずいっと寄ってくる彼女は、元守護天使にして、今は地上の守り人である。 そして話題になっているのは、ラヴィエルの兄、こちらも元守護天使にして、現在は彼女の仲間であるイザヤールのことだ。
最近彼女のパーティーに加わったばかりで、慣れないことに四苦八苦していると言っていたが…。

「ラ~ヴィ~エ~ル~さまー!」
「…酔っているな?」
彼女をよく見れば、目は充血し、顔は赤く、何より片手にジョッキを持っている。
ぞくに言う『絡まれている』状態だ。
ハイテンションな相手の後ろには、先ほどまで一緒に飲んでいたらしいバトルマスターが、明後日の方向を向いていた。
しかし、頬に汗が光っている。
ルイーダやリッカは笑いを噛み殺しているようだった。
「酔ってません!
そんなことよりあの方は、どんな女性がお好みでしょうか?」
「…さあ?離れていた期間が長くて…」
「やっぱり、こう、『ぼんっきゅっぼん』でしょうか?それともロリコン!!なんてことは…」

聞いていない。
自分の世界に入って、全く聞いていない。
そして、身ぶり手ぶりでボディを表現しているあたり、もう俗世に染まりまくっている。
最初はあんなに純粋だったのに、馴染むとは恐ろしいものだ。

ちなみに、仲間以外からは天使であるラヴィエルの姿は見えていない。ということは、彼女は端から見ると『壁と話している』のだが、ここは深夜の酒場である。
<酔った少女の奇行>など、気にとめるものは居ない。
「はっ!そうです!分からないなら両方で攻めてみればいいんですよね?」
「…あぁ、」
ラヴィエルは聞き流すことにした。
何を言っても自己完結するのなら、適当に相づちをうって、満足してもらうのが一番いい。これは、この酒場で人間を観察して知ったこと。

水着がどーたら、ビスチェがうんたら、メイド服がかんたら言っている。
「ラヴィエルさま、ありがとうございます!!」
「そうか」
とりあえず、彼女の中で何かが終わったらしい。
「私、イザヤールさまを落とします。必ず陥落させてみます」
彼女は輝いていた。女神の果実のように眩しい。
「…そうか」
「はい☆」
その天使の微笑みを残して、彼女は二階へとスキップで上がっていく。
あの様子だと、今からイザヤールの部屋に行くようである。
――まあ、いいか。
あの堅物が右往左往するのは面白そうだしな。

ラヴィエルはそう思うと、再び人間で溢れ返る酒場を眺めた。
明日の朝には、妙にやつれた兄に会うのを楽しみにして。


◇◆◇
唐突に浮かんだドラクエ9の、まかさの女主イザ。
イザヤールは絶対ヘタレだと信じています(笑)

でも私のマイキャラは男…。

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ホシノヤドリギ
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自己紹介:
現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。

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