忍者ブログ
気のむくままに、更新中… いわゆるネタ。 本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;) PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。 *関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「辛いですね」
突然かけられた声にイザヤールは内心驚くが、それを悟られぬ用に振り向き大地を蹴って一気に下がる。
(…気がつかなかった)
いつの間に彼は己の後ろに居たのか。
相手は弟子の仲間の1人。確か魔法戦士である。既にレベルは高いようで、先ほどの戦いでも補助に戦力にと活躍をしていた。

あの人形の一件で、彼女は酷く心を痛めているようだった。元来思いやりのある彼女には、今回の戦いはかなり辛かったのだろう。
偵察に来ている筈だったのに近くまで降りてきてしまったのは、彼女の己を呼ぶ声が聞こえたから…。
いや、必死に哀しみを堪えるその姿に思わず、昔のように抱きしめようとしてしまったからだった。

そんなことを出来もしないのに。

「そんな睨まないで下さい。別に貴方と戦いたい訳ではないんです」
「……私の姿が見える。理由はそれだけで十分だ」
この姿を見える人間もまれに居る。まして、この魔法戦士は天使を共に行動している身である。感覚が研ぎすまされているのかもしれない。
「何度も心配で見に来るなんて、よっぽど大切にしてらっしゃるんですね」
相手はその場に座る。おそらく敵意が無いことを見せるためだろう。
「何のことだ」
だが、イザヤールはそこを動かない。
「…あの子は会いたがっています。そんなに心配なら姿を現せばいいじゃないですか」
そして、何もかもぶちまけてしまえばいい。
その言葉にイザヤールは目を大きく開き、傍らの剣の感触を確かめた。
(こいつは何者だ。そもそもこのオーラは…)
「お前は人間では無いな。モンスターでも、…天使でもない」
「……人間ですよ。ちょっと毛色が違うのは認めますが」
カチリ、と硬い音がする。
イザヤールが剣に右手をかけた音だ。
その気配に、彼はそっと目を伏せ、相手を見上げた。そしてそのまま一言も発することなく、イザヤールは魔法戦士を睨み、魔法戦士はイザヤールを見つめる。
「…そんなに私たちを、彼女を信用出来ませんか?」
「何の話か分からんな」
「彼女は、今は弱い。けれど必ずこの旅で貴方と並ぶ実力を付けるでしょう。そうすれば、きっと」

相手からこぼれ落ちる言葉は、叫びに似ていた。縋るような言葉だった。

◇◆◇
なんか長くなったんで切ります。
こっそり師匠が見守っていたらいいな。

拍手[0回]

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
163  162  161  160  159  158  157  156  155  154  153 
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
プロフィール
HN:
ホシノヤドリギ
性別:
女性
自己紹介:
現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。

何かあればコチラまで。hosinoyado2000☆yahoo.co.jp(☆を@に変換)
ブログ内検索
アクセス解析
Admin / Write
忍者ブログ [PR]