気のむくままに、更新中…
いわゆるネタ。
本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;)
PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。
*関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
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*「先ずは…」の前の話しになります。
黒騎士は、銀髪の旅芸人と言葉を交わすと、何処かへと消えた。魔法使いも僧侶も、その時は魔力をほぼ使い果たし意識をそちらに向ける余裕はなく、武道家は辛うじて立っているだけだった。
だから、旅芸人と黒騎士の会話を殆ど聴いていない。
「とりあえず、セントシュタインに戻りたいと思います」
銀髪の旅芸人の言葉に、3人は大きくため息をついた。
それから大急ぎで城まで引き返し、休憩もそこそこにツァーリとエスは、国王に謁見を申し込みに行った。
何故謁見に武道家まで着いていくのか、カイは不思議に思ったが、ルイーダが出してくれたパフェを見るや否や、そんな疑問は何処かへ行ってしまう。
いやに不機嫌な相方をよそに、ありがたくパフェを頬張ることにした。
「で、黒騎士を倒したの?」
ルイーダがグラスを拭きながら訊いてくる。
「わかんねぇ」
「わからない?」
「なんか、あの日溜まりと話して、消えちまった」
日溜まり、そう、彼は日溜まりに似ている。
「日溜まりって彼のこと?…またあだ名をつけたのね」
この口の悪い僧侶には、面白い癖がある。知り合った相手に次々と名前をつけるのだ。カイと長い付き合いの魔法使いは嫌な顔をするが、ルイーダは気に入っていた。
あだ名をつけるのは、彼女があの不思議な旅芸人を気に入っている証だ。
ちなみに、魔法使いのシシィのあだ名は“お嬢”である。
「なんかさ~、日溜まりを形にしたらあんな感じかなって。あ、あの武道家は寝暗っぽいから“黄昏”な。んでピンクのは…」
「ピンク?」
「…んにゃ、なんでもない」
見覚えの無い色名に、女主人はおうむ返しに問うたが、カイはぐるぐるとスプーンをかき回すだけで答えなかった。
そこへ、地を這うような声が、割って入った。
「…で、二人共、私に何か言うことは無いのかしら?」
黙ってやり取りを聴いていたシシィである。眉間に皺を寄せ…ルイーダには彼女の周囲に渦巻く冷気が見えた。
流石のカイも顔を引きつらせて謝る。
「えと、黙ってごめんなさい…わざと黙ってた訳じゃ…嘘です。わざとですごめんなさい。言わない方が面白そうとか思ってました」
「ごめんなさいね。彼の銀髪を見て、もしかしたらって思ったのよ。
彼はあの地震で記憶を無くしたみたいで。
『あの人』も、地震の後に行方不明になったんでしょう?時期も被るし…
でも確証が無くて言い出せなかったの。先入観無しで、直接確認して貰った方が良いと思って」
そこで一度言葉を区切り、シシィの表情を見る。だが、俯いていて、ルイーダからはあまり見えない。
「やっぱり…」
「別人よ。それはまあ、髪の色で私も一瞬見間違えたけれど…、髪以外は似ても似つかないわ。残念ながら」
シシィは紅茶にミルクを注いだ。白が混じり、くすんだ琥珀になる。その琥珀色に浮かぶ己の表情を見たくなく、慌てて飲み込んだ。
「そう。…大丈夫よ。世界を回ってれば見つかるわ。
凄腕のレンジャーなんでしょ?」
「えぇ。信じているわ。
一応、二人が戻ったら色々訊いてみるけど…多分、“あの人”についてはわからないでしょうね」
ポットを手にして、中身を継ぎ足す。たっぷり足された紅茶に映る顔は、やはり酷いものだった。
だが次の僧侶の一言で、シシィは顔を上げた。
「でもさ、あの旅芸人と居ると、何かあるかもな。
あの日溜まり、フツウじゃない」
「え?」
「……何だろうな」
カイは一人ごちると、それきり黙ってしまった。
◇◆◇
一度消しちゃって、書き直したらなんかシリアスになりました(笑)
まあ、いいか。
大筋は変わってないので
黒騎士は、銀髪の旅芸人と言葉を交わすと、何処かへと消えた。魔法使いも僧侶も、その時は魔力をほぼ使い果たし意識をそちらに向ける余裕はなく、武道家は辛うじて立っているだけだった。
だから、旅芸人と黒騎士の会話を殆ど聴いていない。
「とりあえず、セントシュタインに戻りたいと思います」
銀髪の旅芸人の言葉に、3人は大きくため息をついた。
それから大急ぎで城まで引き返し、休憩もそこそこにツァーリとエスは、国王に謁見を申し込みに行った。
何故謁見に武道家まで着いていくのか、カイは不思議に思ったが、ルイーダが出してくれたパフェを見るや否や、そんな疑問は何処かへ行ってしまう。
いやに不機嫌な相方をよそに、ありがたくパフェを頬張ることにした。
「で、黒騎士を倒したの?」
ルイーダがグラスを拭きながら訊いてくる。
「わかんねぇ」
「わからない?」
「なんか、あの日溜まりと話して、消えちまった」
日溜まり、そう、彼は日溜まりに似ている。
「日溜まりって彼のこと?…またあだ名をつけたのね」
この口の悪い僧侶には、面白い癖がある。知り合った相手に次々と名前をつけるのだ。カイと長い付き合いの魔法使いは嫌な顔をするが、ルイーダは気に入っていた。
あだ名をつけるのは、彼女があの不思議な旅芸人を気に入っている証だ。
ちなみに、魔法使いのシシィのあだ名は“お嬢”である。
「なんかさ~、日溜まりを形にしたらあんな感じかなって。あ、あの武道家は寝暗っぽいから“黄昏”な。んでピンクのは…」
「ピンク?」
「…んにゃ、なんでもない」
見覚えの無い色名に、女主人はおうむ返しに問うたが、カイはぐるぐるとスプーンをかき回すだけで答えなかった。
そこへ、地を這うような声が、割って入った。
「…で、二人共、私に何か言うことは無いのかしら?」
黙ってやり取りを聴いていたシシィである。眉間に皺を寄せ…ルイーダには彼女の周囲に渦巻く冷気が見えた。
流石のカイも顔を引きつらせて謝る。
「えと、黙ってごめんなさい…わざと黙ってた訳じゃ…嘘です。わざとですごめんなさい。言わない方が面白そうとか思ってました」
「ごめんなさいね。彼の銀髪を見て、もしかしたらって思ったのよ。
彼はあの地震で記憶を無くしたみたいで。
『あの人』も、地震の後に行方不明になったんでしょう?時期も被るし…
でも確証が無くて言い出せなかったの。先入観無しで、直接確認して貰った方が良いと思って」
そこで一度言葉を区切り、シシィの表情を見る。だが、俯いていて、ルイーダからはあまり見えない。
「やっぱり…」
「別人よ。それはまあ、髪の色で私も一瞬見間違えたけれど…、髪以外は似ても似つかないわ。残念ながら」
シシィは紅茶にミルクを注いだ。白が混じり、くすんだ琥珀になる。その琥珀色に浮かぶ己の表情を見たくなく、慌てて飲み込んだ。
「そう。…大丈夫よ。世界を回ってれば見つかるわ。
凄腕のレンジャーなんでしょ?」
「えぇ。信じているわ。
一応、二人が戻ったら色々訊いてみるけど…多分、“あの人”についてはわからないでしょうね」
ポットを手にして、中身を継ぎ足す。たっぷり足された紅茶に映る顔は、やはり酷いものだった。
だが次の僧侶の一言で、シシィは顔を上げた。
「でもさ、あの旅芸人と居ると、何かあるかもな。
あの日溜まり、フツウじゃない」
「え?」
「……何だろうな」
カイは一人ごちると、それきり黙ってしまった。
◇◆◇
一度消しちゃって、書き直したらなんかシリアスになりました(笑)
まあ、いいか。
大筋は変わってないので
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自己紹介:
現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。
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