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気のむくままに、更新中… いわゆるネタ。 本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;) PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。 *関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
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「ジェクトみたいな父親になれるかな」

夜警の最中にそう言ったのは、ラグナだった。左手の薬指を仕切りに触っているが、そこには何もない。

「んあ?何だよいきなり」
「いや~、ジェクトみたいなのが父親だったら楽しそうだなと思ってさ!
一緒に遊んだり、喧嘩したり、イタズラしたりさ!」
「エロ本読んだりな」
「そうそう!」
「それは駄目じゃない?」

セシルが笑いを噛み殺している。

「まあ、もし息子だったら、ジェクトみたいな父親は厭きないだろうね」
「強いし温かいし、優しいし!」
「おいおい、夢を見るなよ」

焚き火の前でメンテナンスをしているスコールが、ほんの少しだけ顔を背ける。
どうやら喧しいらしい。
ラグナは慌てて声を潜めた。

「父子でばか騒ぎ、なんて、憧れないか?
ジェクトなんか酒盛りに息子を巻き込みそうだよな」
「でも、叱るところはビシッとね」
「どーだったかなぁ~?息子が居たような気はするんだけどな。
ま、俺様のガキだからな!ガッツはあると思うぜ。喧嘩して、泣きながら何度でも俺に突っかかってくるぐらいはしたんじゃねーかなぁ」
「いや~、やっぱいいな。そーゆー父子関係って」

ラグナは声をたてずに笑うと、夜空の向こうを見る。

「今日、ちょっと思い出したんだけど、多分、結婚してたと思うんだよねぇ。
奥さん、待ってるだろうなぁ~」
「…戻ったらもぬけの殻だったりしてね」
「セシル怖いっ!そんな事は無いと願ってますよ、オレは」
「どうかな~。女は強かだからな~。戻って来ないと諦めたら、次の道に行くぞ。それが女の強さだからな」
「戻る!今すぐ戻る!…ぐぁっいてっ」

大慌てて立ち上がり、いつものように足をツって、地面へと転がるラグナ。
その滑稽な姿を見てジェクトとセシルは笑い、スコールは思いっきり眉間にシワを寄せた。


◇◆◇
異世界でも喧しい若父

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ホシノヤドリギ
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自己紹介:
現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。

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