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気のむくままに、更新中… いわゆるネタ。 本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;) PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。 *関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
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彼の様子に小さな違和感を覚えたのは、会談…と言う名の雑談の最中だった。





相手は世界でも指折りの商人で、その誕生日祝賀会とやらに兄の代わりとして出向いていた。

ダウは何時ものようにアクセルのやや後ろに影のように佇んでいる。

その、彼の雰囲気が、一瞬だけ膚に突き刺さるものに変化したのだ。

念のため、アクセルは注意深くその商人を観察したが、特に怪しむものは無かった。しいてあげるならば、彼が身に付けていたペンダントヘッドが、嫌に目についた事くらいである。







「酒とお茶、どっちだ?」

「…いや、お前飲ます気満々だろーが。つか、俺、一応仕事中なんだけど?」



与えられた一室のドアを開け、アクセルは廊下で警護にあたるダウに声をかけた。

ちなみに酒瓶を持ったままである。



「さっきのパーティーで結構飲んで無かったか?」

「あんなバカ騒ぎの中で味わって飲めると思うか?

これはここの名産らしい。話のネタに飲まないとな」



返事など最初から聞くつもりなどないアクセルは、ダウの腕を掴み、そのままソファへと座らせた。



「…一杯だけだからな」

「善処する」



半ば引き摺られる形で部屋に入れられた彼は、やけくそ気味に上衣を脱ぐ。

目の前の相手が、一杯で済む筈がないのだ。

とっさにこのソファとベッド、出入口までの距離を計算し、気付かれない様に小さく息を吐いた。







カチカチカチと時を刻む音が、昔は恐ろしかった様に思う。

深夜の闇に覆われて、独りである事が恐ろしくて。



寒かった。



その寒さから逃れる為に、よく体を丸めた。

今は隣に体温を感じるのに、頭の芯までは温めてくれない。



目蓋を閉じれば浮かび上がり、目を開ければあの輝きの残像が残っていた。



「酒の力で眠れないか?」

「悪い、煩かったか」

「隣でごそごそされたら醒める」



言葉とは裏腹に、彼女の口調は優しい。

アクセルは背を向けるダウにそっと両手を這わせた。



「昼には帰るぞ。気になる仕事がある。準備をしておけ」

「いいのか?スケジュールが詰まっていただろう?」

確か、自慢の湖の畔でなにやらイベントがあった筈だ。珍しい渡り鳥が来ているとか。



「義理は果たしたし、顔は十分売った。

それに“私も”あまり彼が得意では無いしな」

「…バレてたか」

「あんな視線で隠していたつもりか?首の皮がひきつったぞ」

「あ~、ごめん…。直ぐに引っ込めたんだけどなぁ~」



あの商人を見た時、否、あの商人が身に付けていたものが何であるが気付いた時、体の中から凍りついたのだ。



ダウは体を彼女の方へ向けると、そのまま抱き締める。



寒いのだ。

あの時の寒さが消えない。



彼女は何も言わずに抱き返してくる。

じわりと触れ合った所から、漸く熱が入って来た。



「…アイツの着けていたペンダントを覚えてるか?」



「ダイヤ形のペンダントヘッドだったな」



直径は1センチにも満たない、金で縁取られたものだ。だが、それ自体から不思議な鈍い輝きを放っていた。

赤・蒼・碧・黄・紫。

それらが混じり合った色。

そして、そのダイヤから放たれていた微弱な気配。



「なんだと思う?」

「…そうだな。螺鈿か何かかと思うが、いや、それにしては少し、魔導に近い波動を感じた。

てっきり古いマジックアイテムだと思っていたが」

「あれは『天使の瞳』だ」

「!」

「かなり加工してあるし、結構な年代物だから、俺も最初は分からなかったんだ」

「間違い、無いのか?」

「あぁ」

「…まさか、現存しているとは」

「…あぁ。多分、誰も知らないんじゃないかな」



アクセルを抱く腕に力がこもる。彼女は静かにその腕に掌をのせた。





◇◆◇



予想外に長くなった!

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ホシノヤドリギ
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現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。

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