気のむくままに、更新中…
いわゆるネタ。
本館は更新が止まっていますが、日記は儚く動いてます(^_^;)
PCからでも携帯からでも見れますが、PCからの方が見やすいかと…。
*関連会社様とは一切関係がございません。個人の趣味の範囲内・常識の範囲内でお楽しみください。
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最近、彼女の名前を…幸か不幸か耳にしない。暫く地下に潜っているのだろう。彼女の姿がある時は、必ず背後の組織が動く時なのだから。
彼女が現れることを予期していた、のかもしれないとレオンは思う。
虫の知らせか、死線を潜り抜けて鍛えた勘なのか…いや、そんなことはどうでもいい。
ゆえに、自室の壁に凭れかかっていてもそれほど驚きはしなかった。とはいえ、流石にコーヒーを飲んでいたことは予想外だったが。
鍛えられたしなやかな体に、細い指。
躊躇いなく引き金を引くその指が持つ白地のコーヒーカップ。
人を欺く赤い唇がそのカップに吸い寄せられる。
「良い豆ね。美味しいわ」
「家に居るときぐらいはリラックスしたいからな」
切れ長の目が少しだけ柔らかい。鋭い殺気も今はないので、ここにはプライベートで居るのかもしれない。
それでも、黒い瞳は意思の強さを表していた。
あの地獄の街で、自分はこの瞳に惹かれたのだろう…等と思う辺り、少々浮わついている。
「キーか?」
「えぇ。あなたったら持ち歩いてるんだもの。いくら私でもエージェントの『レオン・S・ケネディ』からそれを奪うのは難しいわ」
「寝込みなら大歓迎だが」
「返り討ちに合う可能性が高いからやめたのよ」
「易々と許すような女じゃないだろう」
「相手によるわね」
「……」
彼女は凭れたまま動かない。黒い瞳が揺れるが、レオンは口を閉じたまま、それを見返す。
そして、互いに熱を帯びた視線を外したのはレオンだった。
「……あの時は助かった。別に今まで隠していた訳じゃないからな」
胸ポケットから借りていたキーを取り出す。可愛らしいベアがライトの光で弱く光った。
「そんな所に仕舞って、要らぬ詮索を受けたんじゃない?」
「他人に見せるなんてヘマはしないさ。
…あぁ、でも肌身離さず持っていたら、逢えるかもしれない、とは考えていたが」
「レオン?」
「読みが当たって浮かれている自覚はあるからな」
「…そんなセリフ、凄みを出しても迫力はないわよ?」
「ついでに言っておくが…」
頭は止まれと命令を出すのに、一度動き出した口はそれを拒絶する。
それは、ここが戦場ではなく、互いに何も背負っていないプライベートタイムだからだ、と。
そう心が告げていた。
「…そのコーヒーカップにすら俺は嫉妬する」
「あなた…」
そんなセリフを言われると思っていなかったらしく、エイダの目が驚きで丸くなった。が、直ぐにいつものポーカーフェイスに戻る。
しかし、本当に僅かに口元が綻んでいるのをレオンは見逃さない。
そしてその綻びは、更に軽口を叩かせた。
「昔から、そんなに嫉妬深い男だったかしら?」
「自分でも驚いてる」
キーを指先で一回転させた。愛くるしいキーホルダーがまた、武骨な手に収まった。
「…エイダ、もう一杯、飲んでいかないか?」
「誘うぐらいなんだから、当然美味しいコーヒーなんでしょうね?」
「大丈夫さ。豆だけは良いからな」
彼女は再び暗躍するのだろう。次に会うときは銃口を突き付け合っているのかもしれない。あるいはどちらかが、冷たくなっているのかもしれない。
だから、この時間を、もう少しだけ。
◇◆◇
デレた!レオンがデレてしまった!
ついでにヘタレだ!(でも、基本レオンはヘタレだと思う)
映画の「バイオハザード5」のエイダにデレッデレなレオン…むしろレオン→→→←エイダも好きですが、原作の「(立場的に)絶対に交わることのない平行線な2人」はもっと好きです。
…だからデレる予定はなかったんですが、うっかり(苦笑)
こんなん書いといて6でレオンがこのキーを持ってたらどうしよう…。
彼女が現れることを予期していた、のかもしれないとレオンは思う。
虫の知らせか、死線を潜り抜けて鍛えた勘なのか…いや、そんなことはどうでもいい。
ゆえに、自室の壁に凭れかかっていてもそれほど驚きはしなかった。とはいえ、流石にコーヒーを飲んでいたことは予想外だったが。
鍛えられたしなやかな体に、細い指。
躊躇いなく引き金を引くその指が持つ白地のコーヒーカップ。
人を欺く赤い唇がそのカップに吸い寄せられる。
「良い豆ね。美味しいわ」
「家に居るときぐらいはリラックスしたいからな」
切れ長の目が少しだけ柔らかい。鋭い殺気も今はないので、ここにはプライベートで居るのかもしれない。
それでも、黒い瞳は意思の強さを表していた。
あの地獄の街で、自分はこの瞳に惹かれたのだろう…等と思う辺り、少々浮わついている。
「キーか?」
「えぇ。あなたったら持ち歩いてるんだもの。いくら私でもエージェントの『レオン・S・ケネディ』からそれを奪うのは難しいわ」
「寝込みなら大歓迎だが」
「返り討ちに合う可能性が高いからやめたのよ」
「易々と許すような女じゃないだろう」
「相手によるわね」
「……」
彼女は凭れたまま動かない。黒い瞳が揺れるが、レオンは口を閉じたまま、それを見返す。
そして、互いに熱を帯びた視線を外したのはレオンだった。
「……あの時は助かった。別に今まで隠していた訳じゃないからな」
胸ポケットから借りていたキーを取り出す。可愛らしいベアがライトの光で弱く光った。
「そんな所に仕舞って、要らぬ詮索を受けたんじゃない?」
「他人に見せるなんてヘマはしないさ。
…あぁ、でも肌身離さず持っていたら、逢えるかもしれない、とは考えていたが」
「レオン?」
「読みが当たって浮かれている自覚はあるからな」
「…そんなセリフ、凄みを出しても迫力はないわよ?」
「ついでに言っておくが…」
頭は止まれと命令を出すのに、一度動き出した口はそれを拒絶する。
それは、ここが戦場ではなく、互いに何も背負っていないプライベートタイムだからだ、と。
そう心が告げていた。
「…そのコーヒーカップにすら俺は嫉妬する」
「あなた…」
そんなセリフを言われると思っていなかったらしく、エイダの目が驚きで丸くなった。が、直ぐにいつものポーカーフェイスに戻る。
しかし、本当に僅かに口元が綻んでいるのをレオンは見逃さない。
そしてその綻びは、更に軽口を叩かせた。
「昔から、そんなに嫉妬深い男だったかしら?」
「自分でも驚いてる」
キーを指先で一回転させた。愛くるしいキーホルダーがまた、武骨な手に収まった。
「…エイダ、もう一杯、飲んでいかないか?」
「誘うぐらいなんだから、当然美味しいコーヒーなんでしょうね?」
「大丈夫さ。豆だけは良いからな」
彼女は再び暗躍するのだろう。次に会うときは銃口を突き付け合っているのかもしれない。あるいはどちらかが、冷たくなっているのかもしれない。
だから、この時間を、もう少しだけ。
◇◆◇
デレた!レオンがデレてしまった!
ついでにヘタレだ!(でも、基本レオンはヘタレだと思う)
映画の「バイオハザード5」のエイダにデレッデレなレオン…むしろレオン→→→←エイダも好きですが、原作の「(立場的に)絶対に交わることのない平行線な2人」はもっと好きです。
…だからデレる予定はなかったんですが、うっかり(苦笑)
こんなん書いといて6でレオンがこのキーを持ってたらどうしよう…。
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この研究所に漂う生臭さに、いい加減吐き気がしてきた。トレードマークの真っ赤なロングコートに、こんな臭いを染み込ませたく無い。
前の…ラクーン市の時はアドレナリンが大量に出ていて、五感が全てイカれていたのだろう。幸か不幸か、あの時より冷静だ。
愛用の二丁拳銃で二体のゾンビの頭をぶっ飛ばし、先程入手したカードキーで次の部屋に滑り込んだ。
どうやら、この室内にはあの蠢く死体たちは居ないらしい。
深夜だと言うのに青白い蛍光灯が眩しい部屋である。冷たい光が、男の銀髪を照らした。
「全く。どーせ襲われるなら美女がいいぜ。グラマラスな」
手早く残弾数を確認すると、タイル張りの壁へと寄りかかった。
別動隊のクリスたちは今どの辺りだろうか?
B.O.W.だの活性死者だの御大層な名前があるようだが、あの有象無象に出現する様は、はっきり言って害虫である。
クリスとて苦労をしているだろう事は容易に想像が出来た。
「さっさと帰るぞ。臭うし、腹減ったし、抱きたいし、寝たいんだよ」
温かいシャワーを浴びて、チーズが大量に乗っかったピザと、最近お気に入りのアイスクリームパフェを食べて、金髪でグラマラスで脚癖の悪い美女をベットに連れ込んで寝る。
あのくそ生意気な甥っ子が、また嫌な顔をするだろうがそんな事は知ったことじゃない。
全てはお前の親父のせいなんだし。
「どこに居る?かくれんぼはそろそろ終いだぜ?
オレは飽きっぽいんだよ!」
男は向かいのドアに右足をかけた。
そのドアを蹴破るまであと三秒――
◇◆◇
書いちゃったよ!バイオハザードINダンテ(ダントリ風味)
ちなみに、トリッシュはゾンビの頭を蹴り飛ばすので、弾の節約にはもってこいデス(笑)
前の…ラクーン市の時はアドレナリンが大量に出ていて、五感が全てイカれていたのだろう。幸か不幸か、あの時より冷静だ。
愛用の二丁拳銃で二体のゾンビの頭をぶっ飛ばし、先程入手したカードキーで次の部屋に滑り込んだ。
どうやら、この室内にはあの蠢く死体たちは居ないらしい。
深夜だと言うのに青白い蛍光灯が眩しい部屋である。冷たい光が、男の銀髪を照らした。
「全く。どーせ襲われるなら美女がいいぜ。グラマラスな」
手早く残弾数を確認すると、タイル張りの壁へと寄りかかった。
別動隊のクリスたちは今どの辺りだろうか?
B.O.W.だの活性死者だの御大層な名前があるようだが、あの有象無象に出現する様は、はっきり言って害虫である。
クリスとて苦労をしているだろう事は容易に想像が出来た。
「さっさと帰るぞ。臭うし、腹減ったし、抱きたいし、寝たいんだよ」
温かいシャワーを浴びて、チーズが大量に乗っかったピザと、最近お気に入りのアイスクリームパフェを食べて、金髪でグラマラスで脚癖の悪い美女をベットに連れ込んで寝る。
あのくそ生意気な甥っ子が、また嫌な顔をするだろうがそんな事は知ったことじゃない。
全てはお前の親父のせいなんだし。
「どこに居る?かくれんぼはそろそろ終いだぜ?
オレは飽きっぽいんだよ!」
男は向かいのドアに右足をかけた。
そのドアを蹴破るまであと三秒――
◇◆◇
書いちゃったよ!バイオハザードINダンテ(ダントリ風味)
ちなみに、トリッシュはゾンビの頭を蹴り飛ばすので、弾の節約にはもってこいデス(笑)
セイルーン国王直々からの依頼に、リナ・インバースとガウリイ・ガブリエフは、文字通りすっ飛んで来た。
文面にはただ一言。
『火急の用があり。直ぐに参られたし』
と。
「すみません、国王は今少し立て込んでいまして、私がご説明を」
「あ~、構わないわよ。
で、ただ事じゃない感じだったけど、どうしたの?」
何時にもまして真剣な彼女に、わざとリナは明るく返した。
「詳細はまだ分からないんですが……」
「魔族の影がちらついている」
言いづらそうにするアメリアの言葉を遮り、今は彼女の補佐をしているゼルガディスが口を開いた。
「ここ〈王宮〉で?」
「あぁ」
始まりは一人の兵士の不信死だった。
「なるほどね」
一通り話を聞いたリナは、出された紅茶を飲みながら思案にふける。
もとより、この依頼は受けるつもりだった。…しっかりと料金はいただくが。
「オーケイ、話は分かったわ。
でも、条件があるの。
ゼルを貸してくんない?
もし魔族との戦闘になったら、あたしとガウリイとじゃ…」
「待てリナ、見ての通り俺は只の人間だ。調査ぐらいならともかく、あいつらと戦うなら、…足手まといだ」
言って、彼は目線を足元に下げる。ゼルガディスは実感していた。今はそこら辺にいる魔法剣士と大差が無いことに。
魔力は著しく減退し、恐ろしい耐久性を誇った肉体は無い。
「ゼルは自信ないのか~?」
「ダンナ…」
「あんたは自分を過小評価し過ぎ!
確かに昔に比べたら戦闘能力は落ちるけど、あんたには経験値がある!」
「それにさ、『慣れてるやつ』に背中任せたいだろ?」
「おぉ~!ガウリイにしちゃあ、上出来ね!」
「お?そ~かあ~?」
「大体このリナちゃんの言うことが聞けない訳ないわよね~?」
「…」
結局、ゼルガディスは渋々ではあるが頷いた。
◇◆◇
走り書きがあったのでアップ。
ゼルちゃんが人間に戻って婿に入ってます(笑)
文面にはただ一言。
『火急の用があり。直ぐに参られたし』
と。
「すみません、国王は今少し立て込んでいまして、私がご説明を」
「あ~、構わないわよ。
で、ただ事じゃない感じだったけど、どうしたの?」
何時にもまして真剣な彼女に、わざとリナは明るく返した。
「詳細はまだ分からないんですが……」
「魔族の影がちらついている」
言いづらそうにするアメリアの言葉を遮り、今は彼女の補佐をしているゼルガディスが口を開いた。
「ここ〈王宮〉で?」
「あぁ」
始まりは一人の兵士の不信死だった。
「なるほどね」
一通り話を聞いたリナは、出された紅茶を飲みながら思案にふける。
もとより、この依頼は受けるつもりだった。…しっかりと料金はいただくが。
「オーケイ、話は分かったわ。
でも、条件があるの。
ゼルを貸してくんない?
もし魔族との戦闘になったら、あたしとガウリイとじゃ…」
「待てリナ、見ての通り俺は只の人間だ。調査ぐらいならともかく、あいつらと戦うなら、…足手まといだ」
言って、彼は目線を足元に下げる。ゼルガディスは実感していた。今はそこら辺にいる魔法剣士と大差が無いことに。
魔力は著しく減退し、恐ろしい耐久性を誇った肉体は無い。
「ゼルは自信ないのか~?」
「ダンナ…」
「あんたは自分を過小評価し過ぎ!
確かに昔に比べたら戦闘能力は落ちるけど、あんたには経験値がある!」
「それにさ、『慣れてるやつ』に背中任せたいだろ?」
「おぉ~!ガウリイにしちゃあ、上出来ね!」
「お?そ~かあ~?」
「大体このリナちゃんの言うことが聞けない訳ないわよね~?」
「…」
結局、ゼルガディスは渋々ではあるが頷いた。
◇◆◇
走り書きがあったのでアップ。
ゼルちゃんが人間に戻って婿に入ってます(笑)
「ジェクトみたいな父親になれるかな」
夜警の最中にそう言ったのは、ラグナだった。左手の薬指を仕切りに触っているが、そこには何もない。
「んあ?何だよいきなり」
「いや~、ジェクトみたいなのが父親だったら楽しそうだなと思ってさ!
一緒に遊んだり、喧嘩したり、イタズラしたりさ!」
「エロ本読んだりな」
「そうそう!」
「それは駄目じゃない?」
セシルが笑いを噛み殺している。
「まあ、もし息子だったら、ジェクトみたいな父親は厭きないだろうね」
「強いし温かいし、優しいし!」
「おいおい、夢を見るなよ」
焚き火の前でメンテナンスをしているスコールが、ほんの少しだけ顔を背ける。
どうやら喧しいらしい。
ラグナは慌てて声を潜めた。
「父子でばか騒ぎ、なんて、憧れないか?
ジェクトなんか酒盛りに息子を巻き込みそうだよな」
「でも、叱るところはビシッとね」
「どーだったかなぁ~?息子が居たような気はするんだけどな。
ま、俺様のガキだからな!ガッツはあると思うぜ。喧嘩して、泣きながら何度でも俺に突っかかってくるぐらいはしたんじゃねーかなぁ」
「いや~、やっぱいいな。そーゆー父子関係って」
ラグナは声をたてずに笑うと、夜空の向こうを見る。
「今日、ちょっと思い出したんだけど、多分、結婚してたと思うんだよねぇ。
奥さん、待ってるだろうなぁ~」
「…戻ったらもぬけの殻だったりしてね」
「セシル怖いっ!そんな事は無いと願ってますよ、オレは」
「どうかな~。女は強かだからな~。戻って来ないと諦めたら、次の道に行くぞ。それが女の強さだからな」
「戻る!今すぐ戻る!…ぐぁっいてっ」
大慌てて立ち上がり、いつものように足をツって、地面へと転がるラグナ。
その滑稽な姿を見てジェクトとセシルは笑い、スコールは思いっきり眉間にシワを寄せた。
◇◆◇
異世界でも喧しい若父
夜警の最中にそう言ったのは、ラグナだった。左手の薬指を仕切りに触っているが、そこには何もない。
「んあ?何だよいきなり」
「いや~、ジェクトみたいなのが父親だったら楽しそうだなと思ってさ!
一緒に遊んだり、喧嘩したり、イタズラしたりさ!」
「エロ本読んだりな」
「そうそう!」
「それは駄目じゃない?」
セシルが笑いを噛み殺している。
「まあ、もし息子だったら、ジェクトみたいな父親は厭きないだろうね」
「強いし温かいし、優しいし!」
「おいおい、夢を見るなよ」
焚き火の前でメンテナンスをしているスコールが、ほんの少しだけ顔を背ける。
どうやら喧しいらしい。
ラグナは慌てて声を潜めた。
「父子でばか騒ぎ、なんて、憧れないか?
ジェクトなんか酒盛りに息子を巻き込みそうだよな」
「でも、叱るところはビシッとね」
「どーだったかなぁ~?息子が居たような気はするんだけどな。
ま、俺様のガキだからな!ガッツはあると思うぜ。喧嘩して、泣きながら何度でも俺に突っかかってくるぐらいはしたんじゃねーかなぁ」
「いや~、やっぱいいな。そーゆー父子関係って」
ラグナは声をたてずに笑うと、夜空の向こうを見る。
「今日、ちょっと思い出したんだけど、多分、結婚してたと思うんだよねぇ。
奥さん、待ってるだろうなぁ~」
「…戻ったらもぬけの殻だったりしてね」
「セシル怖いっ!そんな事は無いと願ってますよ、オレは」
「どうかな~。女は強かだからな~。戻って来ないと諦めたら、次の道に行くぞ。それが女の強さだからな」
「戻る!今すぐ戻る!…ぐぁっいてっ」
大慌てて立ち上がり、いつものように足をツって、地面へと転がるラグナ。
その滑稽な姿を見てジェクトとセシルは笑い、スコールは思いっきり眉間にシワを寄せた。
◇◆◇
異世界でも喧しい若父
妙な夢を見た、とアクセルにしてはボンヤリと呟いた。
今、彼女が飲んでいるのは鎮痛作用のあるハーブティである。この1週間程、腰に鈍い痛みを覚えるらしく、眠りが浅い。隣で寝るダウは毎晩、頻繁に寝返りを打つ彼女に合わせて患部を摩っている。
主治医たちに診てもらっても特に異常はないらしい。
「どんな夢?」
「…女の子だ。知らない女の子が一人、遠くから私を見ている」
ソファの背もたれに寄りかかり、天井を見上げた。慣れ親しんだシャンデリアさえも、今は目に痛く、直ぐに瞼を下ろす。
ダウはソファの横に移動し、手袋を外す。そしてその弱い瞼にそっと手のひらを置いた。
手袋の革のにおいがする。
「どんな子?」
「わからない。多分起きると忘れているんだろうな。ただ、初めてではないと思う。今までも…何度か夢で会っているはずだ。おそらくな」
夢は常にあやふやなものだ。思い出そうと頭の中を探っても、それはとっくに霧散している。再び形作られそれを見ると、懐かしさを覚える事はよくある事だ。
「私の方をずっと見ているをだ。ちょっとふて腐れた感じでな」
「ふて腐れ、って…。随分感情がある夢だなぁ」
「そうだな」
僅かにアクセルは口元を綻ばせ、ダウと二言三言話をすると、寝入ってしまい、この不思議な夢の話はそこで終わった。
そして、その件の少女が今目の前に居る。
勿論、夢である。何故ならさっき床に付き、ここ数日の日課となっている相手への、文字通りの“手当て”をしていたのだから。
恐らく10才前後だ。
だが、アクセルは「遠く」と言っていたが…。
(近!)
目の前も目の前。1メートルも離れてない距離から、睨み付けられている、ような気がする。
(ふて腐れってレベルじゃねーよー!超不機嫌だよ!)
この睨みに何となくデジャ・ビュ。
「あっと、ハジメマシテ、?」
とりあえず、スキンシップをはかろうと、目線を合わせて挨拶をしてみる。
「……」
無反応である。
「あのなぁ。初対面でメチャクチャ不機嫌で、挨拶しても何の反応もし無いのは、流石に失礼だぞ」
「……」
「……」
「……」
「……」
やはり返事は無い。
親の顔が見てみたいと本気でダウは思った。
「…何かリアクションぐらいはしてくれ。頼むから。
で、アクセルの夢に出てきて、俺のとこに来るんだから、何か言いたい事があるんだよな?
最近のアイツの不調と関係があるのか?」
漸く少女は頷いた。
「それは、病気とか怪我とかか?」
横に首を振る。
「じゃあ、何かトラブルに?」
また横に振った。
「う~ん…そんなに心配する事じゃないのか?」
今度は縦に振った。
「…そっか。ありがとうな。アイツ、結構不安がってたからさ。伝えておくよ」
礼を込めて、様子見しつつ少女の頭を二回撫でる。
(あれ?)
意外にも少女は逃げる素振りを見せず、大人しくそれを享受している。だが、表情は変わっていない。もしかすると、この不機嫌な顔が、この子の素なのだろうか。
(ふむ)
試しにダウは再びしゃがみこみ、目線を合わせて――。
ぐにっ
両の手のひらで、少女の目元と口元を挟み込んだ。
ぐにぐにと前後左右に動かしてみる。
目立った反応は無いが、何だかより一層睨まれている気がする。
いや、睨まれている。
「…ゴメンナサイ」
ここは素直に謝っておこう。その方が身のためになりそうだ。
折角縮まった距離が、又しても広がった事をヒシヒシと感じていると、少女は右手を差し出した。
まだ細くて、タンポポの如く可愛らしい指だ。
「えっと?」
少女は動かない。
(触れろって事か?)
実は最初から魔力の波動を読んでいるのだが、彼女の中はがらんどうで、ぽっかりと空間が出来ているようだ。
相手の意図は分からない。しかし敵意を全く感じない。
ここは、彼女の意思に沿うべきなのだろう。
そう判断をすると、ダウは少女の右手を取った。
「―――っ」
次に目を覚ますと、いつもの天井が飛び込んできた。
隣からは落ち着いた寝息が聞こえる。
サイドテーブルの置時計を確認すると、最後に見てから一時間もたっていなかった。
「……」
あの少女は、アクセルが話していた子だろう。朝にでもアクセルに伝えた方がいいのかもしれない。
ダウは恋人を起こさぬようゆっくりとベットを抜け出し、覚えている事を書き留めた。
◇◆◇
何だかダウと少女が、ラグナとスコールみたいになった…。
今、彼女が飲んでいるのは鎮痛作用のあるハーブティである。この1週間程、腰に鈍い痛みを覚えるらしく、眠りが浅い。隣で寝るダウは毎晩、頻繁に寝返りを打つ彼女に合わせて患部を摩っている。
主治医たちに診てもらっても特に異常はないらしい。
「どんな夢?」
「…女の子だ。知らない女の子が一人、遠くから私を見ている」
ソファの背もたれに寄りかかり、天井を見上げた。慣れ親しんだシャンデリアさえも、今は目に痛く、直ぐに瞼を下ろす。
ダウはソファの横に移動し、手袋を外す。そしてその弱い瞼にそっと手のひらを置いた。
手袋の革のにおいがする。
「どんな子?」
「わからない。多分起きると忘れているんだろうな。ただ、初めてではないと思う。今までも…何度か夢で会っているはずだ。おそらくな」
夢は常にあやふやなものだ。思い出そうと頭の中を探っても、それはとっくに霧散している。再び形作られそれを見ると、懐かしさを覚える事はよくある事だ。
「私の方をずっと見ているをだ。ちょっとふて腐れた感じでな」
「ふて腐れ、って…。随分感情がある夢だなぁ」
「そうだな」
僅かにアクセルは口元を綻ばせ、ダウと二言三言話をすると、寝入ってしまい、この不思議な夢の話はそこで終わった。
そして、その件の少女が今目の前に居る。
勿論、夢である。何故ならさっき床に付き、ここ数日の日課となっている相手への、文字通りの“手当て”をしていたのだから。
恐らく10才前後だ。
だが、アクセルは「遠く」と言っていたが…。
(近!)
目の前も目の前。1メートルも離れてない距離から、睨み付けられている、ような気がする。
(ふて腐れってレベルじゃねーよー!超不機嫌だよ!)
この睨みに何となくデジャ・ビュ。
「あっと、ハジメマシテ、?」
とりあえず、スキンシップをはかろうと、目線を合わせて挨拶をしてみる。
「……」
無反応である。
「あのなぁ。初対面でメチャクチャ不機嫌で、挨拶しても何の反応もし無いのは、流石に失礼だぞ」
「……」
「……」
「……」
「……」
やはり返事は無い。
親の顔が見てみたいと本気でダウは思った。
「…何かリアクションぐらいはしてくれ。頼むから。
で、アクセルの夢に出てきて、俺のとこに来るんだから、何か言いたい事があるんだよな?
最近のアイツの不調と関係があるのか?」
漸く少女は頷いた。
「それは、病気とか怪我とかか?」
横に首を振る。
「じゃあ、何かトラブルに?」
また横に振った。
「う~ん…そんなに心配する事じゃないのか?」
今度は縦に振った。
「…そっか。ありがとうな。アイツ、結構不安がってたからさ。伝えておくよ」
礼を込めて、様子見しつつ少女の頭を二回撫でる。
(あれ?)
意外にも少女は逃げる素振りを見せず、大人しくそれを享受している。だが、表情は変わっていない。もしかすると、この不機嫌な顔が、この子の素なのだろうか。
(ふむ)
試しにダウは再びしゃがみこみ、目線を合わせて――。
ぐにっ
両の手のひらで、少女の目元と口元を挟み込んだ。
ぐにぐにと前後左右に動かしてみる。
目立った反応は無いが、何だかより一層睨まれている気がする。
いや、睨まれている。
「…ゴメンナサイ」
ここは素直に謝っておこう。その方が身のためになりそうだ。
折角縮まった距離が、又しても広がった事をヒシヒシと感じていると、少女は右手を差し出した。
まだ細くて、タンポポの如く可愛らしい指だ。
「えっと?」
少女は動かない。
(触れろって事か?)
実は最初から魔力の波動を読んでいるのだが、彼女の中はがらんどうで、ぽっかりと空間が出来ているようだ。
相手の意図は分からない。しかし敵意を全く感じない。
ここは、彼女の意思に沿うべきなのだろう。
そう判断をすると、ダウは少女の右手を取った。
「―――っ」
次に目を覚ますと、いつもの天井が飛び込んできた。
隣からは落ち着いた寝息が聞こえる。
サイドテーブルの置時計を確認すると、最後に見てから一時間もたっていなかった。
「……」
あの少女は、アクセルが話していた子だろう。朝にでもアクセルに伝えた方がいいのかもしれない。
ダウは恋人を起こさぬようゆっくりとベットを抜け出し、覚えている事を書き留めた。
◇◆◇
何だかダウと少女が、ラグナとスコールみたいになった…。
バイオハザードINダンテ
設定だけ(笑)
ダンテ
元ラクーン市警・現何でも屋(笑)。
クリスとは飲み仲間。
昔から女には手が早かった。
幼い頃、父親が失踪。数年後母親は死亡。双子の兄とともに里子に出される。
兄とは別々の里親の所に行くも、仲は良かった。だが、ラクーン市壊滅前後から兄と連絡が取れない。
甥っ子を育てている。
バージル
ダンテの双子の兄。こぶつき(笑)
文武両道、真面目。
現在失踪中だが、クリスが入手した映像に彼らしき人物が映っている。
ネロ
バージルの息子。
叔父のだらしなさを見て、こうはなるまいと思っている(笑)
でも、叔父のことは好きである。言わないが。
トリッシュ
バージルの元同僚だが、どこぞのマフィアの娘との噂もある(笑)
別にバージルとは出来ていない。
現在、ダンテの情人兼何でも屋の相棒。
誰得だよ!
設定だけ(笑)
ダンテ
元ラクーン市警・現何でも屋(笑)。
クリスとは飲み仲間。
昔から女には手が早かった。
幼い頃、父親が失踪。数年後母親は死亡。双子の兄とともに里子に出される。
兄とは別々の里親の所に行くも、仲は良かった。だが、ラクーン市壊滅前後から兄と連絡が取れない。
甥っ子を育てている。
バージル
ダンテの双子の兄。こぶつき(笑)
文武両道、真面目。
現在失踪中だが、クリスが入手した映像に彼らしき人物が映っている。
ネロ
バージルの息子。
叔父のだらしなさを見て、こうはなるまいと思っている(笑)
でも、叔父のことは好きである。言わないが。
トリッシュ
バージルの元同僚だが、どこぞのマフィアの娘との噂もある(笑)
別にバージルとは出来ていない。
現在、ダンテの情人兼何でも屋の相棒。
誰得だよ!
買い出しを終えて事務所に戻ってみれば。
ギギギと古くさいドアの向こうに、良く似た銀髪頭が二つ、ソファの両端に座っていた。赤に覆われた銀髪がむしゃりむしゃりとピザを食べている。
もう一つの、青に覆われた銀髪は、目をまるくして此方を見ていた。
「…何してんのよ」
「腹減ったからピザくってる?」
何故疑問系なのかはこのさい突っ込まない。そんなことよりも、だ。
「あんた今朝もピザ食べたでしょ!しかも四枚っ!
つーか客人居るのに何してんのよ!」
「あぁ、こいつも腹減っとか言っててな。相棒が留守だっつーから、とりあえず新しいピザでも?」
「適当に作りなさいよ!」
「面倒だし?」
「全部疑問系で返すな!」
遂に突っ込んでしまった。
…何故か敗北を感じつつ(あいてがニマニマ笑ってるせいもある)、その客人に視線を戻すと、深い青いジャケットを着ている彼は、ちょっと仰け反っている。
最近人間の間で言う「引いている」状態である。
「私はこいつの相棒のトリッシュ。まだ時間ある?簡単なものを作るからちょっと待ってて」
いたたまれなくなったトリッシュは、少し早口で紹介をすると、相手の返事も待たずにキッチンへと文字通り駆け込んだ。
勿論、買ってきた荷物も忘れずに。
(嵐か)
残された二人は、同時にそう思った。
大急ぎで野菜を出し、水洗いをする。乱暴に水分を飛ばしたら、簡単に切り刻んでサラダにした。
イライラしているわけではない。あんな事はいつもの事だ。
ただ、ほんの少し懐かしい色を見て…。
「驚いたか?」
いたたまれなくなったのは、何故?
「客を独りにしてどうすんのよ」
「構わないさ。あいつは身内みたいなモンだからな」
オイルをかき混ぜていた手が、僅かに震える。
「そう、ね。あんたに親戚がいたなんてびっくりだわ。
どっかの女にでも生ませたの?」
語尾の変化に気付いただろうか?
悟いこの悪魔狩人の事だ。最初から勘づいていたに違いない。
この、己自身でも笑ってしまう程の動揺を。
ドアを開けた刹那に飛び込んで来た、深い深いブルー。
「俺も見た時はびっくりしたぜ?」
「…」
トリッシュは、魔帝の右腕と言われた彼しか知らない。
プライドが高く、魔でありながら剣を好む。
常に冷徹で、下された命令は完遂する。
けれど。
「…目元が」
「うん?」
「目元が、とても似ているわ」
彼とは話したことも殆ど無かったけれど。
「優しい、目をしていたの」
トリッシュに誰かを重ねていたのだろう。記憶を喪っていても、心で感じていたんだと。
ダンテは動かなくなったトリッシュを、鍛えられた二の腕で包み込んだ。彼女の金髪に顔を埋めて、強く抱き締める。
目蓋を閉じれば浮かぶ、幼い頃の思い出。
幸せだった。
母と…兄と。
「そうだな。バージルもあんな目をして、笑っていたな」
笑っちゃうよな。あいつら、食い方まで似てやがる。
金糸に埋もれてこもった声が、泣きそうなのは、多分気のせい。
◇◆◇
実はDMCは1しか知らない上にかなりうる覚え。
なので、ネロさんセリフ無し(ゴメン!)
今、バイオの実況を見ているせいで「バイオハザードINダントリ(人間)」も思い付いたけど、流石に止めときます(笑)
ギギギと古くさいドアの向こうに、良く似た銀髪頭が二つ、ソファの両端に座っていた。赤に覆われた銀髪がむしゃりむしゃりとピザを食べている。
もう一つの、青に覆われた銀髪は、目をまるくして此方を見ていた。
「…何してんのよ」
「腹減ったからピザくってる?」
何故疑問系なのかはこのさい突っ込まない。そんなことよりも、だ。
「あんた今朝もピザ食べたでしょ!しかも四枚っ!
つーか客人居るのに何してんのよ!」
「あぁ、こいつも腹減っとか言っててな。相棒が留守だっつーから、とりあえず新しいピザでも?」
「適当に作りなさいよ!」
「面倒だし?」
「全部疑問系で返すな!」
遂に突っ込んでしまった。
…何故か敗北を感じつつ(あいてがニマニマ笑ってるせいもある)、その客人に視線を戻すと、深い青いジャケットを着ている彼は、ちょっと仰け反っている。
最近人間の間で言う「引いている」状態である。
「私はこいつの相棒のトリッシュ。まだ時間ある?簡単なものを作るからちょっと待ってて」
いたたまれなくなったトリッシュは、少し早口で紹介をすると、相手の返事も待たずにキッチンへと文字通り駆け込んだ。
勿論、買ってきた荷物も忘れずに。
(嵐か)
残された二人は、同時にそう思った。
大急ぎで野菜を出し、水洗いをする。乱暴に水分を飛ばしたら、簡単に切り刻んでサラダにした。
イライラしているわけではない。あんな事はいつもの事だ。
ただ、ほんの少し懐かしい色を見て…。
「驚いたか?」
いたたまれなくなったのは、何故?
「客を独りにしてどうすんのよ」
「構わないさ。あいつは身内みたいなモンだからな」
オイルをかき混ぜていた手が、僅かに震える。
「そう、ね。あんたに親戚がいたなんてびっくりだわ。
どっかの女にでも生ませたの?」
語尾の変化に気付いただろうか?
悟いこの悪魔狩人の事だ。最初から勘づいていたに違いない。
この、己自身でも笑ってしまう程の動揺を。
ドアを開けた刹那に飛び込んで来た、深い深いブルー。
「俺も見た時はびっくりしたぜ?」
「…」
トリッシュは、魔帝の右腕と言われた彼しか知らない。
プライドが高く、魔でありながら剣を好む。
常に冷徹で、下された命令は完遂する。
けれど。
「…目元が」
「うん?」
「目元が、とても似ているわ」
彼とは話したことも殆ど無かったけれど。
「優しい、目をしていたの」
トリッシュに誰かを重ねていたのだろう。記憶を喪っていても、心で感じていたんだと。
ダンテは動かなくなったトリッシュを、鍛えられた二の腕で包み込んだ。彼女の金髪に顔を埋めて、強く抱き締める。
目蓋を閉じれば浮かぶ、幼い頃の思い出。
幸せだった。
母と…兄と。
「そうだな。バージルもあんな目をして、笑っていたな」
笑っちゃうよな。あいつら、食い方まで似てやがる。
金糸に埋もれてこもった声が、泣きそうなのは、多分気のせい。
◇◆◇
実はDMCは1しか知らない上にかなりうる覚え。
なので、ネロさんセリフ無し(ゴメン!)
今、バイオの実況を見ているせいで「バイオハザードINダントリ(人間)」も思い付いたけど、流石に止めときます(笑)
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現在、役者として成功することを夢みつつ、しっかり腐女子になっている20代です。
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