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「…」
朝からカノンは機嫌が悪かった。
どれくらい悪いかと言われれば、つねに砕けた星々が足元に転がっているくらいに。
「昨日、バランスを崩したサガをロスより早く助けたそうじゃないか」
「助けたと言うか、たまたま後ろに俺が居て、咄嗟に支えただけなんだが…」
「抱き留めたと聞いたが?」
「…その、一瞬お前が倒れたと思って」
少し照れたように話す相手にカノンは目を細めた。
「ほぅ?つまり貴様は俺とサガを見間違えたと言う事だな?」
見間違えた事は地雷だったらしい。
「あ、いや、…すまない」
「さて、何をしてもらおうか」
「……(滝汗)」
◇◆◇
何をさせよう(笑)
ミー「しかしあなた。相手にいいようにされてプライドが無いんですか」
ラダ「黙れミーノス。俺の勝手だ」
ミー「兄として言っているのですよ。私の可愛い弟。あなたが望むなら、相手を糸で操ってあなたに服従させる事も出来るのに」
ラダ「絶対に断る」
ミー「例えです」
カノ「なんかSMっぽいな。ソフトなら俺は構わないが」
ラダ「……断固拒否する」
ミー「一瞬想像しましたね?」
◇◆◇
いいんだ。カノン…。
「うどわ!何だこの暗さ!!」
いつものように執務室にお邪魔し、いつものように相手をからかおうと思ったら、何故か彼は落ち込んでいた。
ティータイムなのだろう。一応、紅茶とクッキーがあるが、すっかり冷めてしまっていた。
「ほら、ラダマンティス。あなたの恋人が来てますよ」
「ミーノス。何度言ったら判る。俺たちはそんな浮いた関係ではない」
「おや?では何なんです?」
「…GIVE and TAKE」
「何だよその間は」
アイアコスはクッキーをぼりぼり食べながらカノンを指さす。
「アレだろ。俗に言う、S…」
「言わなくて良い!兎に角なんだこの馬鹿は」
意味ありげに笑う、ミーノスとアイアコスの二人。
「オイそこの甘い奴」
「バレンタインです」
「何があったんだ?」
「…ご存知ないんですか?」
「だから聞いているんだ」
「アテナとペガサス座のことですよ」
「…?確か今日…って、なるほど」
「Wデートだそうです。パンドラ様はフェニックスと」
「だからって何もここまで落ち込むことないだろうが」
「この堅物は一応、イギリス人ですからね。女王様に弱いんですよ」
「あーなるほどね」
「…何故そこで俺を見るんだアイアコス」
「気のせい気のせい」
◇◆◇
女王様が好きなのは私です(苦笑)
「ほら」
「いや、ほら、と言われてもだなカノン」
ラダマンティスはパフェを見ながらそう言った。
「甘いものは疲れに良いと聞いたが」
「そうなのだがな。カノン。しかしこれでは俺は食べれないのだが…」
ラダマンティスは、何故か椅子に座らせられ、両手足を小宇宙を込められた鎖で雁字搦めにされていた。
「問題ない。ホラ、食え」
ザクッ!っとそのパフェに長細いスプーンを挿し、生クリームを掬うと口元に持って来る。
「ほらな」
「……」
このまま食え、と言う事らしい。
アレだ。街のカフェで良く見かける、「はい。あ~~んして食べてねvダーリンvv」とか言うシーン。
そのまんまである。
勿論、このまま逃げる事は出来るのだが、それはそれで今後揉めそうな気がする。
一度怒らすとそれが100倍返しで己の身に跳ね返ってくるのである。
「ほら」
目の前でスプーンがゆらり、ゆらりと揺れ、暫しの葛藤の後、ラダマンティスは口を開いた。
◇◆◇
餌付け…。
「双子座のサガよ。この場で余に対して発言する事を許そう」
「恐れながら貎下。自分の行なった事に対して、正当化するつもりは一切ありません。が、一つ伺いたい議がございます。
何故次期教皇がアイオロスでは無くてはならなかったのですか。あれは私のものです。あれは私の太陽。私だけを照らせば良いのです」
「それがお前の言い分か。双子座のサガよ」
「御意にございます。貎下」
◇◆◇
きっとシオンはあまり怒って無いんじゃないかと。
そして双子は凄く独占欲が強い。…そしてこのネタ、最初はギャグ予定でした。
「なぁ、いっそ海界も冥界も滅ぼしちまおうぜ」
「もういいだろう?最後にしようぜぇ?」
「後何回俺たちは生まれて死ぬんだろうな?どーせ、どんな条約結んだって時がたてば紙ックズみたいに、ゴミ箱行き、はい、お仕舞いってなるのによ」
◇◆◇
同じ姿で同じ魂、そして受け継がれる同じ記憶。来世もそうなのか。
「おい、生きてるか」
「あーあ、生き残っちゃった」
「死ぬことさえも許されない、か」
私たちが死ぬ時は救われた時かもな。
魚座が呟き、残りの二人は薄く嗤った。
◇◆◇
神の僕ですから。
(…苦しい)
先ほどからどうも胸の辺りが息苦しい。
ラダマンティスは繋がった眉毛をしかめたまま、ベットに横になっていた。
激務の所為か、体もだるく、寝返りをうとうとすら思えない。
それだけ疲れていたのだ。
原因は、かつて兄弟だった二人の同僚にあるのだが、それを思い出すだけで目頭が(哀しくて哀しくて)あつくなる。
おかげで、カノンとの逢瀬が流れてしまったのである。
あまりにも寝苦しいので、ゆっくりと目を開いた。
「!!!!」
「…よう」
「カノン!何をして…ぐふ」
そこには体に乗りかかっている相手がいた。
ご丁寧に胸の辺りで肘をつき顔をのぞき込んでいたらしい。
慌てて起きあがろうとした瞬間、光速で顔面を掌で押され、枕に戻るはめとなってしまった。
「俺がわざわざ来てやっても爆睡とは、中々お疲れのご様子だな」
「…………カノン、それは」
「仕事は終わったらしいな」
「無事に………」
「そうか。よかったな」
「…すまな…」
「謝ることはなかろう。仕方あるまい」
(なら何故異様な小宇宙が!?)
不機嫌なオーラがバンバンに漂っている。
「ただ、何故二人に仕事を押しつけられ易いのか、貴様は考えた事はあるか?無いだろうな。貴様は意外に鳥頭だからな」
相手の背後に砕け散る用の星が輝いていた。
◇◆◇
カノラダ、と言い張ってみる(苦)
じっと見詰める視線に気づき…と言うか無視できなくなり、デスマスクは目を開けた。
「…深夜になんのどようですか夜這いですかここにあんたの馬はいませんよつーか俺眠いんですけど昼間散々どっかの我侭女神&教皇にこき使われて疲れているんですボロボロなんですよ俺」
「ノンブレスとは流石私の聖闘士ですわね。見直しました。どうしようも無い人でも取り柄ってあるのですね」
「お褒めに預かり光栄です。ではお休みなさい」
「お待ちなさい。あなた上司である私の目の前で惰眠をむさぼるなどと、いい度胸ですわね」
「普通の上司は部下の寝室まで来ません」
「私は女神です。常識は当て嵌まりません。あなたにお供を命じます」
「謹んでお断りをいたします」
「却下」
「いい加減にしろっつーの!俺は眠いんだよ!!お供ならシュラやサガあたりにやらせろよ!!尻尾を振ってついてくるから!!!」
「蟹座の聖衣は準備OKみたいですよ」
「ぐ!!!(←いつの間にか装着済)…つーかなんでアンタまで聖衣着てんの!?」
「今頃気づきましたか。本当に馬蟹ですね。これからエトナ山に行きます」
「はぁ?」
「耳まで遠くなりました?ちょっとエトナまで行って盟を取り返してきます」
「『ちょっと』じゃねえっつーの!つー事は何か、あのテ…」
「えぇ、テュポンをしばきに行ってきます」
「ヲイ!それだったら戦闘能力の高いメンバーを連れて行ったほうが…」
「これは私の私的な事です。私は女神としていくのではなく、盟をしたう沙織として行くのです。その沙織がたまたまアテナの力を持っていただけのことですわ。あなたは、盟の(むかつく事に)師匠ですし」
「………(すっげー強引だな)分かったよ。40秒待て」
「よかったわ。あなたなら巻き添え食って死んでも何の問題も無いものv」
「っのアマ!!!」
◇◆◇
沙織さんのキャラを模索中。
「おや、いらっしゃいカノン。残念ながらあなたの竜はいませんよ」
「…別にアレに会いに来る為だけにここに来ている訳では…」
「そうなのですか?あの融通の利かない竜が愛おしくて足繁く通っているのとばっかり思ってました。今日はどんなご用で?」
「…ちょっと野暮用でな(←ただ会いに来ただけ)」
「へぇ?そうですか(怪笑)」
「…そんな事よりミーノス。何故そんな格好なんだ?」
「そんな格好とは?」
「……その時代錯誤な中世ヨーロッパ調の貴族趣味丸出しの格好だ。お前はフランス国王か。というか、今日あった冥闘士はみんなそんなケッタイな格好だったが…」
「数日前よりこの格好が冥界での規定服になったんですよ」
「はぁ??」
「軍服もありますよ」
「…じゃあ、カロンとかニオベとかマルキーノとかそこら辺もか!?」
「ええ」
◇◆◇
いえ、他サイトさまで結構見かけたので…。ちょっと私のサイトでも欲しいな、と思いまして。
***
「………」
「…なんだ、その目は」
「いや、お前も着てるんだなと思って。軍服だけどな」
「…しかたあるまい。そう決まったのだから。それが法というものだ」
「ふーん」
「………」
「…………」
「…………に、似合わないか?」
「いや。いいんじゃないか」
「そ、そうか(ホッ)」
◇◆◇
…素直に似合うといってあげてください(笑)
ある夜。 大切な人たちが居なくなってしまってから、暫くしてからのある夜。 月がぞっとする程綺麗な日だった。 初の勅命を終えた二人の背中を、アフロディーテは見つめた。 目は吊り上がり、赤く充血していた。 そして鍛え上げられた感覚によって識る、そのにおい。 二人が初めて人を殺した証。 悲しんではならない。 嘆いてはならない。 二人を迎えねばならない。二人が誰よりも傷ついているのだから。
◇◆◇
その時、私は決心した。私も彼らと同じようにならねばと。
***
幼い頃、夢があった。 教皇となったアイオロスの傍らには彼に忠誠をちかうサガが居る。 自分たちはその周りを固め、来るべき敵を討つ。 そんな夢。 夢は叶った。 今自分たちはサガの側にいる。しかし、アイオロスの姿はなく。 「これより聖域に参る。目指すはアテナの御首ただ一つ」 黄金ではなく、闇の聖衣に身をつつまれ。 「…あぁ、儚い夢だった」
◇◆◇
出発の前。オリジナルで使った「儚い」を書いてみました。
蟹「あ、サガもう会議の始末終わったのか?」
双子「いや。しかしアイオロスが疲れているだろうから、先に戻れと」
蟹「(…チッ)アフロの新作のハーブティーがあるんだ。飲んでいけよ」
魚「疲れも取れるしリラックスもするのだ。今用意する」
双子「ありがたいが、とりあえず宮に戻り片付けを…」
魚「焼きたての菓子もあるんだ。一緒に食べていけばいい。なっ?デスマスク」
蟹「おうよ!俺っPiの料理の腕前は知ってるだろう?」
双子「…そうだな。ならカノンを呼んで来る事にしよう」
山羊「俺が呼んでくるからサガはここで待っててくれないか?」
双子「…?」
三人「(冷や汗)」
双子「……??」
三人「……」
双子「…!!デスマスク、」
蟹「お、おうよ」
双子「カノンは、いや、カノンと翼竜は何処だ?」
山羊&魚(あ、黒い)
蟹「さぁ?会議が終わって大分たつから、素直に戻ったんじゃ…」
双子「双児宮だな?おのれ、仮にも私の宮、いや、女神のお膝元で!!」
三人(確かにな)
蟹「い、いいじゃないか。会議の為に休みを返上してたんだし。久々の逢瀬を…」
双子「そーゆー問題ではない!逢いたければ外で逢えばいいだろう!!」
三人(確かにな)
魚「しかしな、サガ。あなただってアイオロスに久々に逢えたら嬉しいでしょう?」
双子「だからと言って見境無く盛ったりはせん!ここを何処だと思っているのだっ!!私は、私は、アイオロスとまだ何も無いのに!なぜ向こうばかり先に進んでいるのだぁっ!!!」
蟹&魚「そこ!?」
山羊「…アイオロスを呼んでくる」
***
羊「どうしたんです?急におりてきて」
牛「いや、その……色々な意味で上の宮たちが揉めているようなのでな」
羊「……あぁ。なるほど。そのようですねぇ」
◇◆◇
遠距離って大変ですよねって話です。
「あぁ、シャイナ、ア…」
「あんたの子猫ちゃんなら、さっき星矢と街に降りたよ」
「そうかい。まったく二人で遊んでなきゃいいんだけどねぇ」
◇◆◇
子猫呼ばわりされるアイオリアと、それを当然の如く受け入れてる魔鈴を書いて
みたかったんです(笑)
「で、射手座のアイオロス殿。コレの理由をお聞かせ願いたいのだが…」
「尾行をしている」
「そんな事は分かっている!!!何故こんな事を俺がしなければ成らないんだ!!!」
「仕方ないだろう。あのアイオリアがデートをすると言うのだぞ!心配して何が悪い!!!」
「一人で行け!!!!何故俺までが!!!!わざわざ冥界にまで来て、貴殿がどうしてもと言うから来てみれば!!!」
「ほら、貴殿は聖戦の折、カノンをストーカーしたと言う有名な話があるではないか。尾行のイロハを教えてもらおうと思ってな☆」
「『思ってな☆』…では無いわ~~~~~。大体なんだそのストーカーと言うのは?!あれは闘う機会を…」
「あぁ、アイオリア!しっかりエスコートをするんだぞ!!!」
(……聞いてないし)
「…で、何だったか?もう一回言ってくれないか?」
「…もういい。…しかし、兄なのだからもう少し弟を信用してもいいのでは無いか?良くは知らないが獅子座と言えば女神にも忠実で、実力もトップクラスではないのか?」
「貴殿には負けたがな」
「……青銅たちからも信頼も厚いと聞くし、決して間違いを犯すような男とは思えん」
「勿論信頼しているさ。私の弟だからな。気を利かせてやったつもりが全て裏目に出る!私とサガの様にな…。フフッ。それが兄弟というものだ!」
(…痛い!激しく痛い!!)
◇◆◇
お兄ちゃんは心配性。犠牲者ラダで。
「あの獅子は君の猫と言うのは本当かね?」
「周囲はそう言ってるね。他にも太陽だの炎だの言っているヤツがいるが、まだまだ甘ちゃんさ」
「なるほど。君は見る目があるようだな。確かに光の強い太陽では無いし、炎の様に他を燃え尽くしたりもしないだろう」
◇◆◇
魔鈴と乙女座。太陽と炎…両方とも兄の事。
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